唐津焼は李氏朝鮮から伝わったとされる伝統的な技法が用いられ、特に蹴轆轤、叩き作りといった技法は古唐津から伝わる技法で、現在もこの製法を行っている窯がある。 窯は連房式登窯という大がかりな窯を用い、そこで1300度の高温で一気に焼き締める。 非常に素朴ながらも、独特の渋みを持ち、日本を代表する陶器の一つとなっている。

絵唐津(えがらつ)

比較的鉄分の少ない薄茶色の素地に鬼板(おにいた)と呼ばれる鉄絵具で文様を描き、長石釉や土灰釉などの透明の釉薬を上から薄くかけて焼いたものを指します。 草、木、花、鳥、人物や線文・幾何学文など、陶工の生活の身近にあるものが指や筆で描かれており、素朴ながら繊細で力強い表情を生み出しています。 唐津焼の中ではもっともポピュラーな種類とされており、向付や皿、鉢などに多く用いられています。

斑唐津(まだらからつ)

藁灰(わらばい)などを混ぜた失透白濁する釉薬をかけたもので、粘土中の鉄分や窯を炊く燃料である松の灰が溶け出し、乳白色の表面に青や黒の斑点がぽつぽつと現れることからそう呼ばれています。 別名「白唐津」とも呼ばれています。唐津焼発祥の地とされる岸岳窯で16世紀に始まったと推測され、当時の斑唐津を再現しようと現代の多くの作家が挑戦を続けています。茶碗や猪口(ちょこ)に多く用いられています。

黒唐津(くろからつ)

鉄分を多く含んだ黒釉をかけて焼いたものを指します。鉄分を多く含む岩石を砕いて、土灰釉(どばいゆう)に混ぜたもの、 胎土に鉄分が多く釉色が黒みがかるもの、鉄分の多い泥を化粧がけするものなど様々な技法があり、多くの窯で焼造されてきました。 鉄分の量や酸化の度合いにより、飴色や柿色、黒褐色など幅広い色彩を生み出しますが、全て黒唐津と呼ばれています。ぐい呑みや片口、皿として広く用いられています。

朝鮮唐津(ちょうせんがらつ)

鉄分の多い鉄釉(黒釉または飴釉(あめゆう))と藁灰釉を上下・左右にかけ分けて焼いたものを指します。 鉄釉の黒と藁灰釉の白の美しいコントラスト、境界に生まれる青や紫、黄色などの繊細な色や流れ落ちる多彩な表情が特徴的であり、 表面に現れるその変化は自然の風景に見立てた「景色」を表現しています。 景色を愛でる茶陶の世界で重用されており、水差し・花入れ・徳利など、茶器として多く用いられています。

三島(みしま)

器がまだ生乾きのうちに印花紋、線彫、雲鶴(うんかく)などの文様を施し、化粧土を塗った後、削りまたは拭き取り仕上げを行い、長石釉や木灰釉をかけて焼いたものを指します。 象嵌(ぞうがん)の一種であり、唐津では江戸時代に生産が始まりました。朝鮮の李朝三島の技法を伝承したことから、三島唐津と呼ばれています。 茶碗などの茶器によく用いられ、日本の多くの産地にその類型を見ることができます。

粉引(こひき)

褐色の粘土を使い、素地がまだ生乾きのうちに白色の化粧土を全面にかけて乾燥させた後、長石釉や木灰釉をかけて焼いたものを指します。 白い粉が吹いているような風合いから、この名がついたと言われています。粉引は、高麗茶碗に用いられていた技法の1つで、 古く朝鮮のものに名品が多くみられますが、古唐津諸窯では生産されていませんでした。近代になって取り入れられた、唐津焼では比較的新しい技法です。